第9回吉備路の山全山縦走大会あいさつ
全国の登山愛好家の皆さん こんにちは!
「吉備路の山全山縦走大会」は、2025年3月16日(日)に第9回大会を開催することに決定しました。
2015年に第1回を開催し、参加者の好評を得たこの大会は、その後順調に推移しましたが、その後全国的なコロナ感染を受けて、一時的に中止や延期の決定をせざるを得ませんでした。
そしてコロナが下火になった2023年3月、感染対策を実施しながら第7回大会を開催。当日は快晴の下、久しぶりに参加者皆さんの笑顔を見ることが出来ました。
また、翌2024年3月、コロナ制限のない大会として、第8回大会を実施。当日は昼頃から雨模様の大会となりましたが、参加の皆さんは、元気に各ゴールに到着されました。
縦走大会が開催される一帯は、古来、吉備の国と呼ばれ、3~4世紀には大和地方に匹敵する豪族が勢力を誇っていた地域で、当地に数多く残る巨大な古墳群がそれを物語っています。岡山市新庄下にある造山古墳は、大きさでは全国第4位、総社市の作山古墳は第13位にランクされます。
全山縦走コースは、この吉備の国・JR服部駅(桃太郎線)を起点とし、鬼城山(397m)~足守~備中高松龍王山(286m)~大平山(191m)~吉備津彦神社~吉備中山(162m)と縦走して吉備津神社に下降する、全長35km、登降差1,400mのコースです。所要時間は山慣れた人で、日の出から日没までの約12時間です。
また、コースが長すぎると感じる方のために、コースを3ヶ所で区切り、「足守18㌔コース」「稲荷24㌔コース」「吉備津彦32㌔コース」を設け、体力に応じて誰でもが参加できるように設定しています。
全山縦走の最初に歩く鬼城山(397m)は、古文書に記録のない城跡で、7世紀、朝鮮白村江の戦いに敗れた倭国が唐・新羅の侵攻に備え、西日本の要所に築いた古代山城の一つと推定され、国の史跡に指定されています。現在その西門が復元され、勇壮な姿を見ることができます。縦走コースは鬼ノ城の城壁跡を周回するように設定され、吉備の国を見下ろしながら歩きます。
足守コースの終点・足守は、江戸時代の古民家が数多く残る由緒ある陣屋町で、その落ち着いたたたずまいを観光しながら歩きます。備中高松龍王山は、日本三大稲荷の一つである高松最上稲荷・奥ノ院に当たり、年初には多数の信者が参詣するところです。
三光山(183m)から大平山(191m)にかけての山並みは、天正10(1582)年、黒田官兵衛の策により羽柴秀吉が備中高松城を水攻めした際、秀吉軍が布陣した一帯で、大平山からは眼下に高松城址を見下ろせる絶景が広がります。
吉備中山(162m)は、古今和歌集(912年編纂)に“まがねふく きびの中山おびにせる ほそたに川のおとのさやけさ”と詠われた山で、山頂近くに「御陵」と呼ばれる吉備中山茶臼山古墳があります。
コースの最終は、由緒ある吉備津神社です。自然と歴史に恵まれた「吉備路の山コース」を、全国の登山愛好家の方々にぜひ歩いて頂きたいと思います。
実行委員会一同、準備万端を整え、皆様のおいでをお待ちしています。
実行委員長 津守 良二
